わたしはラッキーで、それはクライアントサービス業をしていると黙っていても新しいクライアントと仕事をする機会に恵まれたり、新しいプロジェクトが始まったりして、その度に「脱炭素とはこういうことなのか」とか「離島っていまこういう感じなんだ」とか、そういうことをちょっとずつ学ぶことができる。ずっと「その道」にいる人には到底及ばないものの、それでもそういう人に会話あるいは取材ができる程度には学ぶことになるので、全く未知だった領域に、なんというか、輪郭みたいなものができていって、あるところまでいくと「ここから先は深いぞ〜」みたいな看板が立っていて、そこまでで止めておく、みたいなイメージ。わたしは根本的に学ぶのが嫌いじゃないので、このルーティンに乗っているだけでもいいのだけど(極論、学びたい分野のクライアントを獲得しに行く、みたいなこともできる)、もう少し「(すぐには)役に立たない学び」みたいなことをしたいと感じており、でもそれ、どうすればいいんだろう、という話。
そういう学びを一番していたのは大学生〜社会人2年目くらいまでで、高校最終盤に出会ってしまったデザインやらアートやらについての情報をそれこそ大量に浴び、集めてた(こういう感じ)。別に何の役に立つとかそういうことじゃなく、それが学びであるという意識すらなく、結果的にこの頃の蓄積が仕事に活きてくるんだけど、そう、仕事に活かそうみたいな邪な気持ちがないからこそやれることがあったな〜、と。今のわたしはそれが仕事に活きてしまうことを知っているので、そこを無理やり「アンラーン」するのは無理があって、それを仕組み的になんとかしたいと思っているわけです。で、ひとつたどり着いた方策は、肩書きにリサーチャーを追加する、というもの。
わたしは仕事している時間の8割くらいをクリエイティブディレクターとプランナーをしていて、そこには当然リサーチャー的な仕事も内包されているのだけど、それは「クリエイティブディレクターやプランナーをするのに必要なリサーチ」をする時間でしかなく、それこそ仕事と接続していない調べ物とかをする感じになかなかならない。わたしはクライアントサービス業が好きで、なんとかしてクライアントに喜んでもらおうとがんばるタイプなのでなおさら。そういう日常的な仕事と切り離された調べ物、学びをする時間を明示的に確保するためにもそうしようと。
というわけで今日からリサーチャーします。よろしくお願いいたします。