Day5 – パラサイト

Netflixでこの前の金曜日から公開になっていた、ので。というのは普通の人にとっては普通の理由なのだけど、わたしのような「コンテンツ消費アレルギー」の人間にとってはそれだけでは十分な理由にはならず、もう少し読み解くと、年末年始にぎっくり腰をやらかして、2週間くらいベッドで寝たきりになって、仕事したりしてたけど、結局のところコンテンツに行き着いた。で、クイーンズ・ギャンビットとスタートアップ(どちらもNetflixオリジナル)を観たことによって「これくらいの気持ちと時間があると1コンテンツ消費できるんだ」という感覚がつかめたからに他ならない、と思う。少し視点を変えると、まだ「読書」にはそういう感覚が持てないでいる。自信を持って「読んだ〜!」と思える体験をずっとしていないからなんだけど、リズムというか、それ以前の「見積もり」→「心づもり」ができないからだと思う。ただ、今回の3コンテンツで結構それもわかった気がするので、今年はこの調子でやっていけるといいな、って。

作品自体はすばらしく(ただクライマックスシーンはああいうのがダメなわたしにはとてもダメで、ちょっと早送りしちゃった。っていうかx1.5で観たんだけど。そもそも)、映像も脚本もとてもとても考えられていて、めちゃめちゃ頭がいい人がつくったんだろうな、という感じがした。シーンひとつひとつにひしひしと「目的」を感じる出来で、なるほど、こういう積み上げ積み上げでも「芸術作品」っていうのはできるんだな、という印象。高台の豪邸を100、半地下を0、地下を-100とした場合、自分の人生はどういうカーブを描いているんだろう、とわたしは思ったし、観た人すべての人がそう思うんじゃないかと思う。大逆転は結局成功しないし、持ち込めても引き分けまで? という意味では絶望と希望が半々、つまりこちらも引き分けだな、という感じがした。個人的な人生の節目節目を思い出させてくれる作品で、この年初に観るにはちょうどよかったように思われる。もう2度と観ない気はするけども。

地下までいかないけど、半地下よりは下だった気がするから、高台の豪邸までは駆け上がれなくても、平地に建つ一軒家くらいまでは行きたい、そんな感じ。子どものためにも、ね。