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RHYTHM*

戦略はアートかサイエンスか。そして限界効用とスピード

この記事は、tadafusahonda.com/blog で2009年4月から2013年3月まで公開していたブログ「RHYTHM*」から移したものです。元の URL は www.tadafusahonda.com/blog/2010/10/06/戦略はアートかサイエンスか。そして限界効用と/ でした。リンクの先や埋め込み、当時の画像は、いまは表示されないことがあります。

デジハリの大学で教え始めて3年目。昨日は大学生に戦略立案のイロハを叩き込んできた。といってもわずか90分の授業であり、仔細なリサーチを事前に取れるわけでもなく、実際に手を動かすことに重きを置いていたので、「どうやって市場に対して有効な一手を打てるか」という1点に絞って個人ワーク→グループディスカッション→プレゼンの流れに。で、戦略について考えるときいつも思うこと。戦略は、というか意思決定はアートなのかサイエンスなのか。

学生に対してのメッセージは単純に言えば、「最後はアートだけど、アートの成功確率を上げるためにサイエンスをやれるところまでやる。そしてサイエンスとアートを組み合わせた意思決定を数多く行って、それが正しいのかどうかを市場に決めてもらう。あきらめたら試合終了。」というもの。

あきらめたら 試合終了 - Google 検索
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理想論ではあるし、まあ、「市場に決めてもらう」ような意思決定をできる環境にいられる人はそれほど多くない。ただ、ぼく自身も実務を行う中でずっとこう思ってきて、最後の部分は全くロジカルでないことも多かったと思うし、オプションを多く出した中でその評価が拮抗したときはクライアントの「想い」で決めてもらったりもしていた。当然実行するのはクライアントだから、「やりたい」っていうことはとても大切なことなわけで。なので、徹頭徹尾サイエンスで固めて実行、ということはなくて。そんなん無理だし。

例えば「ベストプラクティス」という言葉がある。まあ、成功事例のこと。過去に行われた事例、とくに成功した事例は確かに美しく、芸術のようで、みているだけで惚れ惚れする。ただ、それはある企業のある環境下におけるある一時点のスナップショットという、極めて特殊な環境における成功事例でしかなく、他の企業にそのまま当てはめて正解を導けるはずもなければ、同一企業が同じことをしても同じように成功を収められることすら少ない。ひどいときには「過去の成功体験から抜け出せない」とたたかれる始末である。考え方のフレームワークは効率化のためのものでしかなく、効率化によって成功を導けるのは生産管理的な業務でしかない。そこに成功があるのであれば当然それはすべきことだけれども。

で、サイエンスに対して立ち向かうときに頭を痛めるのが限界効用。小難しいことはおいておくと、投資はある一定のタイミングで効率が下がり始めるタイミングが必ずあって、それ以上はやっても無駄とはいえないけど、最大効率ではないですよ、じゃあどこまでやるのが適切なの? ということ。戦略の立案に置き換えれば、意思決定に対して有意なファクトをたくさん集めてそれを論理破綻が無いようにつなぎ合わせてアウトプットするわけだけれども、どこまでやればいいのかを誰も教えてくれない。経済学で市場を読み解くように、自分自身がやっているサイエンスに限界効用が設定されていて、それが見えていればいいのだけれど、それはなかなか見えない。そうすると、結局経験と勘(つまりアートだ)で打ち切るか、時間がなくなるその限界まで、脳みそから血を流しながら考えを尽くすしかない。

トップコンサルタントと呼ばれる方々はどうしてるんだろうな。やっぱ見えてるんだろうな。今度機会があったら三谷さんに聞いてみよう。で、見えない限りはスピードになるんだろうな、きっと。そういう意味で弊社でも良く使われる「高速PDCA」というのはある程度正しいアプローチだな、と思う。正解が分からない以上はうんうん唸っていても成功確率はさほど上がらなくて、もちろんアートも否定しないけれども一定のタイミングで見切りながら実行をとにもかくにも重視。実行した施策は(ここはWEBの特性でもあるけれども)すぐに、できる限り早いタイミングで数字集めて分析して次の施策を実行する。一連の行為をなるべく短いスパンでまわしていきましょう、というもの。

イメージこんな感じ。長期的戦略との整合性が取り辛かったり、統計的に有意な差異がでにくかったりといろいろ弊害はあるけど、正解が分からないんだからそっちで勝負しちゃだめだよな、と。

でも、いつの日かスピードに頼らなくても正解、というより最適解を導けるようになりたいな。そうするとまずは、どういうアプローチで最適を導くのかを決めなきゃいけないんだけど、それも最近ほぼ決まってきたし、あとはがんばるだけだ。がんばります。

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